目次
はじめに
ここでは芸術家のみで生計を立てている人をプロと定義して、プロになれる手段をご紹介して行きます。まとめ部分に対策やアドバイスなどを書いています。
すでに実施している方法も、新しい視点や気づきを得られるかもしれないので、ぜひ読んでみてください。
展示会で販売する
貸ギャラリーやレンタルスペース、また飲食店などで個展を開催して目標額を販売します。
メリット
・本気度が伝わる
芸術家の個展というのは開催する側だけでなく見る人からしても一大イベントです。お金や手間ひまかけてギャラリーを借りて、自分の作品を見てもらうぞという意気込みが伝わり、応援したいという気持ちに繋がります。
・世界観を作りやすい
個展の場合は自分だけの展示ですから、誰に口出しされること無く、作品の演出に注力できます。展示場所によっては制限があるので、どこまで可能なのか事前に確認することが大切です。
・実際に作品をみてもらえる
芸術作品というものは例え平面作品であっても、厳密に言えば、テクスチャーやタッチ、艶や深みなど、立体的な要素が多くあります。この全てを伝えるには、実際に近くで見てもらうことがとても大切です。
・訪れた人に自分の言葉で販売営業ができる
在廊することで、訪れた方に作品の魅力や、自分の個性を知ってもらうことで、売却や新規顧客の獲得の確率が跳ね上がります。
あまり営業が得意でない方は、キャプションにストーリーや説明、思いを添えたり、展示の案内冊子を作ることで、言葉にせずとも作品の価値をわかってもらうことができます。
デメリット
・集客が大変
基本的に集客は自分で招いた方にしか来て貰えません。アートを専門とする貸ギャラリーや、商業店舗などで展示することで、新規顧客や企業の方とも出会える可能性がありますが固定客のついていない貸ギャラリーや客足のない場所で展示すると、自分のファン以外には来て貰えないので、新規ファン獲得や思わぬ購入などには結びつきにくいです。
・お金がかかる
場所代やチラシの印刷代などの費用がかかります。お客さんのついている貸ギャラリーなどは料金が高いこともあります。また、販売手数料なども販売額の20~50%とられることがあります。
・準備・搬入の手間がかかる
DMや案内を用意したり、宣伝用のグラフィックを作ったり。1人でのイベント開催なので、手間ひまは掛かるでしょう。
まとめ
頻繁に展示を開催するのは大変労力がいりますし、集客も頻繁すぎると客足がまばらになったりすることもありますので、集客しやすい適切な時期で、しっかりと展示のコンセプトを定め、完売するにはどうしたらいいか向き合う、創意工夫することが大切です。
集客が不安な方はまずはグループ展や、大規模なフェスやアートフェアなどに参加することをオススメします。
アートフェアに出展する
アートフェアは本来コマーシャル(企画)ギャラリーのみが出展し、所属するアーティストの展示が見られる場所ですが、一般の方でも参加出来るアートフェアがあります。
UNKNOWN ASIA や INDEPENDENT TOKYOなどが有名です。
メリット
・ビジネスチャンスが多い。
アートフェアにはたくさんの方が訪れます。アートコレクターや企業・ギャラリーの方も多く来られるのでビジネスチャンスに繋がります。
・新規顧客の獲得が狙える。
たくさんの方が訪れるので、自分のファンを増やすチャンスになります。自身をしっかりPRできるよう準備をしておくことが大切です。
デメリット
・出展料が高いことが多い。
事前エントリーでの早割りなどがある場合もあるので、気になるアートフェアの情報はしっかりとチェックしておきましょう。
・たくさんの出展者がいるので、クオリティをシビアに見られる
作品のクオリティだけでなく、ブースの演出も重要な要素となります。
・審査がある
審査があることが多いです。日頃から自分の作品も向き合い、向上していくことが大切です。
まとめ
アートフェアにはアートコレクターや若手アーティストを探す企業やギャラリーの方などが多く訪れます。名刺や自己紹介、コンセプト、ステートメントなどしっかり用意して、アピールできるように準備しましょう。
配れるポートフォリオを作って用意しておくのも大切だと思います。冊子にするとたくさん刷るのはお金もかかりますので、まずは見せるようの冊子1冊を印刷会社で作り、配る様のものはA4クリアファイルなどに自家製プリンタでこしらえて作るのがおすすめです。自家製のものだけだと、本気度やブランディングに影響するので、自分をきちんとPRできる媒体は、1つ本気で作っておくのが良いです。
ウェブギャラリーで販売する
今の時代個人でも簡単にECサイトが作れます。BASEなどが有名です。ウェブギャラリーに作品を掲載し、販売することが出来ます。
メリット
・誘導が簡単
展示とは違い足を運ぶ必要が無いので、お客さんへの気軽に見てもらえることです。SNSに力を入れている方には相性のいい売り方だと思います。
・見やすい
商品一覧と値段が俯瞰して見れるので、自分がどんな作品を書いているのかを伝えやすい。
デメリット
・作品の魅力が伝えにくい
平面でしか作品を見られないため、繊細なタッチや画面づくりの魅力を伝えづらい媒体です。
・商業要素が強く見える
売り方や見せ方によっては、商業要素が強かったり、安っぽく見えてしまうことがあります。
・更新や発送などの手間がかかる
まめさに不安がある人には向かない方法かもしれません。
まとめ
作品の魅力を伝えるため、サブ画像に接写や角度を付けた写真を載せたり、説明欄でしっかりと作品へのこだわりと伝えるなど、創意工夫するのが大切です。
また、自分のスタイルにあったサイトの設計や、自身のブランディングについては真剣に考えましょう。親しみやすさよりも敷居を大切にするタイプの方は特に真剣に考える必要があります。
ECプラットフォームに登録する
ECプラットフォームというと、たくさんのアーティストさんが出品するウェブのアートショッピングモールのようなものです。
アートコレクターさんにおすすめしてもらったのは、Artstickerというアプリです。
他にも探せばたくさんあります。
メリット
・新規顧客の獲得
ユーザーの多いプラットフォームを選べば新規顧客の獲得に繋がる可能性があります。
・サポートサービスが受けられる
アートリエというプラットフォームでは、梱包セットというものを購入して発送することができます。
・特別なイベントに参加出来る
企業のやっているプラットフォームでは、地域のイベントや、ビックネームとのコラボイベントに抜擢されることがあります。
デメリット
・埋もれる可能性がある
たくさんのアーティストが登録しているので、埋もれてしまう可能性があります。
・発送の手間がかかる
これは個人のウェブギャラリーと同じで、発送や梱包の手間がかかる場合が多いです。
・更新の手間がかかる
作品をアップする際や、とかのプラットフォームで同じ作品を扱っている場合、売れた時に他サイトを更新管理する手間がかかります。
・作品の魅力を伝えにくい
こちらも個人のウェブギャラリーと同じなので、注意点など参照してください。
まとめ
ECプラットフォームはサイトによって特性も異なるので、メリットやデメリットの違いや、検索の仕様などを確認して、自分の作風と相性の良いプラットフォームを探しましょう。
コマーシャルギャラリーに所属する
公募展やコンクールなどに出品したり、個展などを繰り返しているうちに、コマーシャル(企画)ギャラリーからお声がかかる場合があります。
コマーシャルギャラリーとは、貸ギャラリーとは違い、スペースレンタルを禁止され、美術を専門的に学んだ人たちによって運営される、芸術家の芸能プロダクションのようなものです。ブランディングや敷居、文脈を大切にしているところが多いです。
所属作家と、取り扱い作家の種別があるギャラリーもあるようなのですが、こちらでは所属作家について表記しています。
メリット
・協力なサポートが受けられる
コマーシャルギャラリーに所属すると、営業や宣伝、プロデュースや制作環境の補助など、さまざまなサポートが受けられます。
・アートフェアに出展できる
大手や有名どころが開催しているアートフェアには、個人の画家や貸ギャラリーでは出展出来ないことがあります。コマーシャルギャラリーに所属することで、世界的に有名なアートフェアに出品することができます。
・海外にアピールできる
世界的に有名なアートフェアでは、世界中からコレクターが集まり、海外にも販売やアピールができます。そしてなにより、草間彌生や落合陽一などの、有名な大御所たちと肩を並べることができるかもしれません。(2023年のアートフェアでは出展してらっしゃいました)
・作品作りに集中できる
全てを代行してくれるので、余計なことにリソースを割かず、作品のクオリティアップに務めることができます。
デメリット
・活動制限がある場合が多い
販売経路や活動のハンドルを握られることが多いようです。また、ギャラリー界隈は狭い世界なので、相性が悪かったからと言って、ギャラリーを転々とするようなことは難しい場合が多いようです。
・クオリティが強く求められる
美術史や技術・アート市場に精通したプロたちが運営するギャラリーなので、作品のクオリティが試されます。
現代アートにおけるクオリティとはなんなのかは、また別の記事でご紹介します。
・狭き門である
コマーシャルギャラリーに所属するには、作品のクオリティはもちろん、学歴や受賞歴、コンセプトがギャラリーとマッチするかなど、他の要素も多く見られることがあります。狭き門であることは間違えないでしょう。
ですが、立ち上げたばかりのギャラリーなどは熱意が感じられれば採用してくれることもあるようなので、いろいろな貸しギャラリーなどで展示活動を行い、人脈を広げていくことが大切です。立ち上げたばかりのコマーシャルギャラリーは、サポートなどが充実していないことが多いので、作家と二人三脚で、一緒に成長していく姿勢が大切です。
まとめ
熱狂的なアートファンや投機目的のアートファンなど、さまざまなコレクターが注目するマーケットなので、この市場に乗れたら作品の価値は大きく上がります。
ですがもちろんどんなに手厚いサポートが受けられたとしても、売れるかどうかは作家の実力次第なので、自分の作品と真剣に向き合うことが大切です。
ギャラリーによっては制限のゆるいところのあるようなので、最初にどのような決まりがあるのか、またどのようなブランディングを行っているギャラリーなのか、自分と相性の良いギャラリーを選ぶことが大切です。
また、ギャラリーに押しかけ営業をして採用されることもまれにあるようです。気に入ったギャラリーを見つけたら、熱心に通い、自分をアピールして覚えてもらいましょう(手当り次第いくのは微妙)。可能性を感じてもらえれば、その時でなくても、作品の成長とともに、いつか扱ってもらえることもあるかもしれません。
総まとめ
画家の活動は多岐に渡ります。
この他にも知り合いの作家さんではライブアートパフォーマンスで生計を立てている方や、路上販売で1か月30万以上売り上げた方もいます(許可はとりましょうね)。
アートというのは自由なことが魅力のひとつでもあるので、ここに書かれているものだけにとらわれず、自分だけの売り方を開拓していくのも大切だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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